夫婦二人に小さな平屋がおすすめの理由!間取りのアイデア例も紹介
目次
共働き世帯や子育てを終えた夫婦にとって、広すぎる家よりもコンパクトで機能的な住まいが望ましいと考える方が増えています。このようなニーズに応える選択肢として、小さな平屋が注目されています。この記事では、夫婦二人の暮らしに小さな平屋がおすすめされる理由、具体的な間取りのアイデア、費用相場、そして家づくりのポイントについて詳しくご説明します。
夫婦二人の暮らしに小さな平屋が選ばれる理由
近年、子育てを終えた世代や共働きのDINKS世帯など、夫婦二人世帯が増加しています。ライフスタイルの多様化に伴い、大きな家よりもコンパクトで管理しやすい住まいへのニーズが高まっているのが現状です。
小さな平屋には、生活動線の効率性、バリアフリーへの対応力、そして経済的なメリットという3つの大きな魅力があります。2階建て住宅では避けられない階段の上り下りがなく、マンションのような管理費や修繕積立金も不要。さらに、庭付きの一戸建てならではの開放感も楽しめるため、多くの夫婦に選ばれています。
ワンフロアで完結する効率的な生活動線
階段がない平屋の生活は、想像以上に快適です。朝起きてから就寝まで、すべての行動が同じフロアで完結するため、移動にかかる時間と体力を大幅に節約できます。
たとえば、キッチンから洗濯機のある脱衣所まで、さらに物干し場となるウッドデッキまでの動線を一直線に配置すれば、重い洗濯物を持って階段を上る必要がありません。また、リビングを中心に各部屋を配置することで、夫婦がそれぞれ別の部屋にいても、お互いの気配を感じながら過ごせる心地よい距離感を保てるでしょう。
将来を見据えたバリアフリー対応の容易さ
フラットな構造の平屋は、高齢期の生活において大きな安心感をもたらします。段差がないため、つまずきや転倒のリスクが少なく、車椅子での移動もスムーズに行えるのが特徴です。
将来的に手すりを設置する場合も、壁の強度さえ確保しておけば簡単に取り付けられます。開き戸から引き戸への変更も、平屋なら大規模な工事を必要としません。初期設計の段階で将来を見据えた配慮をしておけば、長く快適に住み続けられる終の棲家となるでしょう。
維持管理費用を抑えられる経済的メリット
小さな平屋の維持管理費用は、2階建て住宅と比較して大幅に抑えられます。特に屋根や外壁の修繕において、その差は顕著です。
2階部分がない分、足場や塗装費用が安く抑えられる傾向にあります。費用総額は、同じ30坪でも20~30万円ほど安くなります。たとえば、外壁塗装の際には足場設置が必要となりますが、一般的な家の高さは、1階建て(平屋)=3.5m、2階建て=6m、3階建て=8.5mです。この高さの違いが、足場設置面積に直接影響し、費用差となって現れるのです。
冷暖房効率の面でも、小さな平屋は優れています。コンパクトな空間は温度管理がしやすく、エアコン1台で家全体を快適な温度に保つことも可能です。断熱性能を高めれば、年間の光熱費を大幅に削減できるでしょう。
さらに、固定資産税や火災保険料といったランニングコストも、建物面積が小さい分、2階建てより抑えやすくなります。初期投資と維持費用の両面から見て、経済的メリットの高い住まいといえるでしょう。
夫婦二人向け 小さな平屋の間取りアイデア
夫婦二人がゆとりを持って生活するために必要な住まいの広さは、国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」によると、都市部以外の地域では75㎡(約23坪)とされています。最低限必要な広さは30㎡(約9坪)ですが、ストレスなく生活するためには55㎡から75㎡(16.6坪から22.7坪)が目安となるでしょう。以下に、20坪、25坪、30坪それぞれの広さで実現できる間取りの特徴をまとめました。
夫婦二人向け小さな平屋の間取り例
項目 | 20坪(約66㎡) | 25坪(約82.5㎡) | 30坪(約99㎡) |
実現可能な間取り | 1LDK~2LDK | 2LDK~3LDK | 3LDK~4LDK |
LDKの広さ | • 1LDK:16~18畳
• 2LDK:14~16畳 |
• 2LDK:16~20畳
• 3LDK:14~16畳 |
• 3LDK:18~20畳
• 4LDK:16~18畳 |
個室の数と広さ | • 1LDK:8~10畳×1室
• 2LDK:4.5~6畳×2室 |
• 2LDK:6~8畳×2室
• 3LDK:4.5~6畳×3室 |
• 3LDK:6~8畳×3室
• 4LDK:4.5~6畳×4室 |
収納スペース | • シューズクローゼット
• 各室クローゼット • パントリー(小) |
• ウォークインクローゼット
• ファミリークローゼット • パントリー(中) • ロフト収納(オプション) |
• 大型ファミリークローゼット
• 各室収納充実 • パントリー(大) • 納戸・土間収納 |
プラスα空間 | • 土間スペース(3畳程度)
• 小さな書斎コーナー |
• ロフト(9畳程度)
• ユーティリティスペース(6畳) • スタディコーナー |
• 和室(客間)
• 書斎(独立) • ビルトインガレージ • ウッドデッキ |
特徴 | • コンパクトで効率的
• 夫婦二人に最適 • 管理が楽 • 建築費を抑えやすい |
• 収納と居住空間のバランス◎
• 可変性のある間取り • 趣味スペース確保可能 • 来客対応も可能 |
• ゆとりある空間設計
• 多目的に使える • 将来の家族増にも対応 • 趣味を楽しむ余裕 |
こんな方におすすめ | • ミニマルな暮らし希望
• 予算を抑えたい • 夫婦二人の生活重視 |
• 収納を充実させたい
• 趣味部屋も欲しい • 将来の変化に備えたい |
• 広々とした空間希望
• 来客が多い • 在宅ワークスペース必要 |
※水回り(浴室・脱衣所・トイレ)は標準的な広さで計算
※間取りや広さは設計により変動あり
各坪数における部屋数と広さのバランスは、夫婦のライフスタイルによって調整可能です。たとえば、在宅ワークが多い夫婦なら書斎スペースを優先し、来客が多い家庭では和室を設けるなど、柔軟な設計が可能となります。
20坪で実現する機能的な1LDK・2LDKプラン
20坪という限られた空間でも、工夫次第で快適な住まいが実現できます。1LDKと2LDKでは、以下のような間取り配分の違いが生まれます。
20坪(約66㎡)での1LDK・2LDK間取り配分例
項目 | 1LDKプラン | 2LDKプラン |
LDK | 16~18畳(約29~33㎡)
• リビング:10~12畳 • ダイニング:4畳 • キッチン:2~3畳 |
14~16畳(約25~29㎡)
• リビング:8~10畳 • ダイニング:3~4畳 • キッチン:2~3畳 |
主寝室 | 8~10畳(約15~18㎡)
• ゆったりとした空間 • ダブルベッド+家具配置可能 |
6畳(約11㎡)
• コンパクトな寝室 • ダブルベッド中心の配置 |
個室2 | なし | 4.5~6畳(約8~11㎡)
• 書斎や趣味部屋 • 予備室として活用 |
収納 | • ウォークインクローゼット:3畳
• シューズクローゼット:1.5畳 • パントリー:1畳 • リネン庫:0.5畳 計:約6畳 |
• 各室クローゼット:1畳×2
• シューズクローゼット:1畳 • パントリー:0.5畳 • 収納庫:0.5畳 計:約4畳 |
※実際の間取りは設計により変動します
※数値は目安であり、壁厚等は含まれていません
限られた空間を最大限活用するため、シューズクローゼットは玄関土間の延長として設計し、パントリーはキッチンの背面に組み込むなど、デッドスペースを作らない工夫が重要です。
水回りの集約も効率化の鍵となります。キッチン、洗面所、浴室を一直線に配置すれば、配管工事費を抑えながら、家事動線も短縮できます。朝の身支度から夜の入浴まで、スムーズな動きで生活できるでしょう。
25坪前後で叶える収納充実の間取り事例
25坪の広さがあれば、収納の悩みから解放される住まいが実現できます。家族共有のファミリークローゼットを設ければ、洗濯物の片付けが一箇所で完結し、家事負担が大幅に軽減されます。
アイランドキッチンを中心とした開放的なLDKも、この広さなら無理なく実現可能です。キッチンからリビング・ダイニング全体を見渡せるため、料理をしながら家族との会話も楽しめます。さらに、キッチンカウンターを広めに取れば、朝食や軽食はカウンターで済ませることもでき、ダイニングテーブルの配置に余裕が生まれます。
将来の変化に対応できる可変性のある間取りも検討できます。たとえば、広めの洋室を後から間仕切りで2部屋に分けられる設計にしておけば、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるでしょう。
30坪で創る趣味空間を備えた贅沢な平屋
30坪の平屋なら、夫婦それぞれの趣味空間を確保しながら、ゆとりある暮らしが実現できます。書斎や和室、ビルトインガレージなど、プラスアルファの空間を設けても、メインの生活空間を圧迫することがありません。
20畳以上の広々としたLDKでは、ダイニングテーブルとソファスペースをゆったりと配置でき、来客時にも余裕を持って対応できます。プライベート空間も6畳以上確保できるため、それぞれの個室で趣味に没頭する時間も大切にできるでしょう。
ウッドデッキやテラスといった屋外空間との一体感も演出しやすくなります。大きな掃き出し窓でLDKと外部をつなげば、実際の床面積以上の開放感が得られ、季節の移ろいを感じながら暮らせる住まいとなります。
小さい平屋を建てる際の価格相場と費用内訳
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2023年度)」によると、注文住宅の建築費の全国平均は約4,903万円(土地なし)となっています。しかし、小さな平屋なら、この半分程度の予算でも十分に実現可能です。
ローコスト住宅と一般的な注文住宅の比較表
項目 | ローコスト住宅 | 一般的な注文住宅 |
坪単価 | 40~60万円/坪 | 70~100万円/坪 |
20坪の建築費目安 | 800~1,200万円 | 1,400~2,000万円 |
メリット | • 初期費用を抑制
• 工期が短い • 予算が明確 • 早期入居可能 |
• 理想を実現
• 高性能・高品質 • 資産価値が高い • 長期的な満足度 |
デメリット | • デザインの制約
• 性能面で劣る場合あり • 将来の修繕費増 • 選択肢が少ない |
• 初期費用が高額
• 工期が長い • 予算オーバーリスク • 打合せ回数多い |
こんな方におすすめ | • 予算を最優先
• シンプルな暮らし • 早期入居希望 • 初めての家づくり |
• こだわりを実現したい
• 長期的な快適性重視 • 予算に余裕がある • 性能を重視 |
※価格は地域や施工会社により変動します
※付帯工事費(本体工事費の20%)、諸費用(総費用の10%)は別途必要
また、建築費以外にも、設計料(本体工事費の3~10%)、登記費用(20~30万円)、外構工事費(50~200万円)などの諸費用がかかります。これらを含めた総費用で予算計画を立てることが重要です。
20坪平屋の建築費用目安
坪単価によって、実現できる仕様には大きな違いが生まれます。
坪単価50万円の場合、基本的な断熱性能と標準的な設備での建築となります。キッチンやバスルームは既製品から選択し、内装材もベーシックなものが中心です。それでも、間取りの工夫次第で十分快適な住まいは実現できます。
坪単価70万円なら、高断熱・高気密仕様や、セミオーダーのキッチンなども選択可能になります。無垢フローリングや珪藻土の壁など、自然素材の採用も視野に入ってくるでしょう。
坪単価100万円では、完全オーダーメイドの設備や、最高水準の断熱性能、太陽光発電システムなども含めた高性能住宅が実現できます。
本体工事費、付帯工事費、諸費用の割合は一般的に70:20:10となります。1,000万円台で建てる場合は、以下のようなコスト削減ポイントを検討しましょう。
- シンプルな箱型の外観デザインで施工費を抑える
- 水回りを一箇所に集約して配管工事費を削減
- 既製品の建具や設備を活用
- 外構工事は最小限にして、後から段階的に整備
- 構造や断熱性能は妥協せず、長期的なコストパフォーマンスを重視
土地購入を含めた総費用シミュレーション
地価公示データによると、地方都市の住宅地では坪単価20~50万円、都市部では50~150万円が相場となっています。35坪の土地を購入する場合、地方なら700~1,750万円、都市部なら1,750~5,250万円が必要です。
建築費1,500万円の20坪平屋を建てる場合、土地代と合わせた総費用は以下のようになります。
【地方都市の場合】
- 土地代:35坪×30万円=1,050万円
- 建築費:1,500万円
- 諸費用:(1,050万円+1,500万円)×10%=255万円
- 総費用:2,805万円
建て替えの場合は、既存建物の解体費用が追加されます。木造30坪の住宅なら、解体費用は約120万円(4万円/坪×30坪)が目安です。しかし、土地代がかからない分、新規購入より大幅にコストを抑えられます。
コストを抑えながら理想を実現するポイント
規格住宅の活用は、コストと品質のバランスを取る有効な選択肢です。あらかじめ用意されたプランから選ぶため、設計料を節約でき、工期も2~3ヶ月短縮できます。さらに、建材の一括仕入れによるスケールメリットで、同等品質の注文住宅より2~3割程度コストダウンが可能です。
予算配分では、変更が難しい部分に優先的に投資することが大切です。断熱性能や構造体は後からの変更が困難なため、初期投資を惜しまないことが賢明でしょう。一方、内装や設備は将来的なリフォームが比較的容易なため、段階的なグレードアップも可能です。
将来のメンテナンスコストも考慮した初期投資が重要です。たとえば、外壁を高耐久の材料にすれば、塗り替えサイクルを延ばせます。初期費用は上がりますが、20年、30年のスパンで見れば、トータルコストの削減につながるでしょう。
二人暮らしの平屋を成功させる設計のコツ
夫婦のライフスタイルは千差万別です。朝型・夜型の違い、在宅ワークの有無、趣味の内容など、それぞれの生活パターンを把握した上で間取りを計画することが、快適な住まいづくりの第一歩となります。
平屋特有の課題として、プライバシーの確保、採光の工夫、防犯対策が挙げられます。これらは設計段階での配慮により、十分に解決可能です。
土地選びから設計、施工まで、一貫した視点で家づくりを進めることで、理想の平屋が実現します。特に土地の形状や周辺環境は、平屋の住み心地に大きく影響するため、慎重な検討が必要です。
プライバシーと開放感を両立する間取りの工夫
夫婦それぞれのプライバシーを守りながら、家族の絆も大切にする間取りには工夫が必要です。
寝室を2つに分ける場合、間にクローゼットを配置する方法が効果的です。収納スペースが防音壁の役割を果たし、お互いの生活音を和らげます。また、L字型に部屋を配置すれば、視線が交わらず、独立性の高い空間となります。
LDKを中心とした回遊動線は、家族の自然な交流を促します。キッチンからリビング、廊下を経て各個室へとつながる動線を作れば、どこにいても家族の気配を感じられます。同時に、必要に応じて個室に籠もることも可能です。
引き戸や可動式間仕切りの活用により、空間の使い方に柔軟性が生まれます。普段は開放して広々と使い、来客時や集中したい時は閉じてプライベート空間を確保する。このような可変性のある設計が、長く快適に住み続けられる秘訣となります。
限られた面積を最大限活用する収納計画
小さな平屋では、デッドスペースを作らない以下のような収納計画が不可欠です。
- 天井付近の壁面を活用した吊り戸棚
- ベンチ下やソファ下の引き出し収納
- 階段がない分、床下収納を充実
- 廊下の壁面を本棚として活用
- 洗面所の鏡裏収納を最大化
壁面収納は、天井まで有効活用することで収納量を確保できます。ただし、圧迫感を避けるため、目線より上は扉付き、下はオープン棚にするなど、メリハリをつけることが大切です。
床下収納やロフト収納など、縦の空間を活用する方法も効果的です。季節物の衣類や使用頻度の低いものは上部に、日常使いのものは手の届きやすい位置に配置することで、使い勝手の良い収納となります。
見せる収納と隠す収納のバランスにより、おしゃれで機能的な空間が生まれます。お気に入りの食器や本は見せる収納でインテリアの一部に、生活感の出やすいものは隠す収納で、すっきりとした印象を保てます。
周辺環境に配慮した採光・通風の確保方法
平屋は周囲の建物の影響を受けやすいため、採光計画には特に注意が必要です。
隣家との距離や高さを考慮し、窓の位置を決定します。南側に高い建物がある場合は、北側の高窓(ハイサイドライト)から安定した光を取り入れる方法もあります。東西の窓は、朝夕の光を効果的に活用できます。
ハイサイドライトや天窓は、プライバシーを保ちながら採光を確保する優れた方法です。特に天窓は、壁面の窓の3倍の採光効果があるとされ、小さな平屋でも明るい空間を実現できます。
防犯性を保ちながら通風を確保するには、格子付き窓や小窓の活用が有効です。縦すべり出し窓なら、開口を小さくしても効率的に風を取り込めます。また、対角線上に窓を配置することで、家全体に風の通り道を作ることができるでしょう。
アート建工の「平屋を建てる相談会」で理想の暮らしを実現
夫婦二人に最適な小さな平屋は、効率的な生活動線、将来も安心のバリアフリー性、そして経済的なメリットを兼ね備えた理想的な住まいです。20坪から30坪という限られた空間でも、設計の工夫次第で、それぞれのライフスタイルに合った快適な暮らしが実現できることがおわかりいただけたでしょう。
アート建工では、平屋づくりに特化した「平屋を建てる相談会」を毎日開催しています(水曜を除く)。相談会では、100以上の豊富な平屋プランの中から、お客様のライフスタイルに最適な間取りをご提案。実際の施工例を見ながら、具体的な費用や土地探しのアドバイスまで、専門スタッフが丁寧にサポートします。
さらに、自社の不動産部門との連携により、平屋に適した土地探しから設計、施工まで、ワンストップでお手伝いが可能です。土地の形状や周辺環境を考慮した最適なプランニングで、理想の平屋暮らしを実現いたします。
完全予約制の個別相談会なので、周りを気にせずじっくりとご相談いただけます。米子・鳥取・倉吉・松江・出雲の各エリアで開催していますので、お近くの会場でお気軽にご参加ください。