35坪の間取り成功例|おしゃれで住みやすい家づくりのコツ
目次
・開放的な吹き抜けリビングで家族がつながる家(36.06坪)
35坪の家づくりを検討しているけれど、「どんな間取りが可能なのか」「本当に快適に暮らせるのか」と悩んでいませんか。家族構成やライフスタイルによって最適な間取りは変わるため、具体的なイメージを持つことが大切です。
この記事では、35坪という平均的な広さでできる間取りの工夫や、実際の成功事例を通じて、理想の住まいを実現するためのヒントをお届けします。この記事を読めば、35坪でどのような暮らしが叶うのか、明確なイメージを描けるようになるでしょう。
35坪の家ってどれくらいの広さ?

35坪という広さは、平米に換算すると約115.7㎡になります。畳の枚数で表すと約70帖分の広さです。たとえば、公立小中学校の教室の平均面積が約64㎡とされているため、35坪は教室の約1.8倍の広さに相当します。
数字だけ見ると十分な広さに思えるかもしれませんが、実際の住み心地はライフスタイルや間取りの工夫次第で大きく変わります。家族構成や収納計画、部屋の配置を適切に設計すれば、35坪でもゆとりある暮らしが実現可能です。反対に、動線が悪かったり収納が不足したりすると、狭さを感じてしまうこともあるでしょう。
平均的な広さと最適な家族構成
国土交通省の「住生活基本計画」では、豊かな住生活を実現するために必要な住宅面積として「誘導居住面積水準」が示されています。この基準によると、35坪(約115.7㎡)は3~5人家族にとって快適に暮らせる広さといえます。
以下の表は、家族の人数別に必要とされる住宅面積の目安をまとめたものです。
誘導居住面積水準(世帯人数別)
| 家族の人数 | 都市の中心やその周辺(共同住宅) | 都市の郊外や都市部以外の一般地域(戸建て住宅) |
| 2人 | 55.00㎡(約16.64坪) | 75.00㎡(約22.69坪) |
| 3人 | 75.00㎡(約22.69坪) | 100.00㎡(約30.25坪) |
| 4人 | 95.00㎡(約28.74坪) | 125.00㎡(約37.81坪) |
| 5人 | 110.00㎡(約33.27坪) | 143.75㎡(約43.48坪) |
| 6人 | 129.00㎡(約39.02坪) | 167.50㎡(約50.67坪) |
参考:国土交通省|住生活基本計画(全国計画)別紙3 誘導居住面積水準
4人家族の場合、郊外の戸建てでは約38坪が目安となりますが、都市部では約29坪が基準となるため、35坪は4人家族にも十分対応できる広さです。ただし、家族のライフスタイルや将来の家族構成の変化によって最適な広さは異なります。単純に人数だけで判断するのではなく、どのような暮らし方をしたいのかも考慮しながら検討しましょう。
35坪で実現できる部屋数とLDKの広さ
35坪の家では、3LDK〜4LDKの間取りが一般的です。部屋数を決める際は、まずLDKと居室以外に必要なスペースを考えることが重要になります。
玄関には約3帖、水回り(お風呂・トイレ・洗面所)には約6帖、廊下や階段には平屋で約7帖・2階建てで約10帖、収納には約9〜11帖が目安となります。これらを合計すると約25〜28帖となり、35坪(約70帖)から差し引くと、LDKと居室に使える面積は約42〜45帖です。
以下の表は、3LDK・4LDK・5LDKそれぞれの間取りにおけるLDKの広さの目安と部屋の配置イメージをまとめたものです。
| 間取り | LDKの広さの目安 | 部屋の配置のイメージ |
| 3LDK | 約20〜22帖 | LDKを広く確保し、各居室もゆとりのある広さにできる |
| 4LDK | 約16〜18帖 | 部屋の広さと数のバランスが良く、4人家族に最適 |
| 5LDK | 約14〜16帖 | 多くの部屋数を確保できるが、各部屋やLDKはコンパクトになる |
家族構成や暮らし方に合わせて、どの間取りが最適かを検討してみてください。たとえば、子育て世帯で家族が集まる時間を大切にしたいなら、LDKを広めに取った3LDKが向いているでしょう。一方、子どもが成長して個室が必要になる場合は、4LDKが使いやすい選択肢となります。
35坪の間取り成功事例

ここからは、実際に建てられた35坪前後の注文住宅の成功事例を2つ紹介します。どちらも工夫を凝らした間取りとデザインで、快適な暮らしを実現した住まいです。間取りを考える際の参考にしてみてください。
一体感と温かみを感じる北欧デザインの家(34.00坪)
| 延べ床面積 | 34.00坪(1階17.97坪/2階16.02坪) |
| 家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
この住まいの最大の魅力は、南側に設けた大開口窓から光がたっぷり差し込む明るいLDKです。庭を臨む配置により、室内にいながら自然を身近に感じられます。キッチンからリビング全体を見渡せる直線的なレイアウトは、料理をしながらでも子どもたちに声をかけやすく、家族の一体感を高めてくれるでしょう。
インテリアは、アースカラーを基調としたアクセントクロスとナチュラルな家具を組み合わせた北欧デザインでまとめられています。光と相性の良い柔らかな色使いが、温かみのある空間を演出しています。
LDKの一角には、スタディーコーナーを設置しました。料理の音や家族の話し声が聞こえる環境で勉強することで、子どもの集中力や柔軟性を育む効果が期待できます。横にはプレイルームとして置き畳コーナーを配置し、小さな子どもが安心して遊んだり昼寝したりできるスペースを確保しています。
詳しくはこちら:【島根県松江市】一体感を感じる温かみのある住まい
開放的な吹き抜けリビングで家族がつながる家(36.06坪)
| 延べ床面積 | 36.06坪(1階18.53坪/2階17.53坪) |
| 家族構成 | 夫婦+子ども1〜2人 |
約20帖の広々としたLDKに吹き抜けと南側の大開口窓を組み合わせることで、明るく開放的な空間を実現した事例です。吹き抜けからたっぷりと光を取り込むため、雨や曇りの日でも家族団らんの空間を明るく照らしてくれます。
この住まいの特徴は、家事効率を最大限に高めた洗濯動線にあります。ドライルームとファミリークローゼットを隣接させることで、「脱ぐ→洗う→干す→しまう」という一連の流れが1ヶ所で完結する設計です。共働き世帯にとって、天候や時間を気にせず洗濯できる環境は大きな魅力となるでしょう。
2階には約16帖のオープンな洋室を配置しました。現在は第二のリビングとして家族で楽しむ空間として使用していますが、将来的には家具や壁で仕切って個室に分けることも可能です。家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応できる可変性のある間取りは、長く住む家づくりにおいて重要なポイントといえます。
詳しくはこちら:【島根県出雲市】開放的な吹き抜けリビングの家
35坪で理想の間取りを叶える!家づくりの重要ポイント

35坪という平均的な広さの家で、より快適で満足度の高い住まいを実現するには、設計段階でのポイント押さえが欠かせません。ここでは「リビング」「家事動線と収納」「建て方の選択」という3つの視点から、具体的な設計のコツやアイデアを解説します。
開放感と暮らしやすさを両立するリビングの作り方
リビングは家族が最も長い時間を過ごす場所だからこそ、開放感と快適性を両立させることが大切です。35坪の家でゆとりあるリビングをつくるには、縦方向の空間を有効活用する工夫が効果的になります。
吹き抜けや勾配天井、高天井などを取り入れると、視線が上に抜けて実際の床面積以上の広がりを感じられます。特に吹き抜けは2階部分とつながることで家族の気配を感じやすくなり、コミュニケーションの活性化にも役立つでしょう。
リビング横に小上がりの畳コーナーや和室を設けるのもおすすめです。段差に腰掛けたり横になったりできるだけでなく、キッズスペースや来客時のゲストルームなど多目的に活用できます。引き戸で仕切れるようにしておけば、必要に応じて個室としても使えるため、空間の使い勝手が格段に向上します。
対面キッチンの正面にリビング階段を配置する間取りも人気です。子どもが2階の部屋に行く際、必ずリビングを通ることになるため、自然と顔を合わせる機会が増えます。思春期になっても家族とのコミュニケーションを保ちやすく、子育て世帯におすすめのアイデアです。
家事動線を効率化する水回りと収納の配置
日々の家事をスムーズにこなすには、水回りと収納の配置が重要なポイントになります。キッチン、洗面所、浴室、ランドリールームなどの水回りを集中させると、配管コストを削減できるだけでなく、家事動線も効率化されます。
玄関からシューズクローク、パントリー、キッチンへとつながる「帰宅動線」を設計すると、買い物から帰ってきたときの移動がスムーズになります。重い荷物を持ったまま長距離を移動する必要がなくなり、日常のストレスが軽減されるでしょう。
洗濯動線も重要な検討ポイントです。洗濯機のある場所から物干しスペース、そしてファミリークローゼットまでを最短距離で結ぶことで、洗濯にかかる時間と労力を大幅に削減できます。ランドリールームとファミリークローゼットを隣接させれば、洗濯から収納までを1ヶ所で完結させることも可能です。
収納は適材適所に配置することが大切です。玄関近くには土間収納やシューズクローク、キッチン周辺にはパントリー、寝室にはウォークインクローゼット、2階ホールには納戸など、使う場所の近くに必要な収納を設けましょう。収納量が多ければ良いわけではなく、使いやすい位置に適切な広さを確保することが、快適な暮らしにつながります。
関連記事:家事動線がいい間取りとは?注文住宅を建てる際のポイントを解説
平屋と2階建て、それぞれのメリットを活かす考え方
35坪という広さは、平屋と2階建てのどちらも選択肢に入ります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、土地条件やライフスタイルに合わせて検討することが重要です。
以下の表で、平屋と2階建ての特徴を比較してみましょう。
| 平屋 | 2階建て | |
| メリット | ・バリアフリー性が高い
・家事動線が効率的 ・勾配天井などで開放感を出しやすい |
・狭い土地でも延床面積を確保できる
・プライベート空間を分けやすい ・日当たりや眺望を確保しやすい |
| デメリット | ・広い土地が必要
・建築コストが割高になる傾向 ・中心部の採光・通風に工夫が必要 |
・階段の上り下りが発生する
・将来のバリアフリー対応に費用がかかる ・階段スペースで居住空間が減る |
| 向いている人 | ・郊外で広い土地に建てる人
・老後まで長く住むことを考える人 ・子育て世代 |
・都市部など土地が限られる人
・家族それぞれのプライバシーを重視する人 |
1階と2階の面積がほぼ同じ「総二階」は、コストパフォーマンスや耐震性に優れた建て方です。シンプルな構造のため建築費用を抑えやすく、壁や柱の位置を1階と2階で揃えることで高い耐震性も実現できます。ただし、外観が箱型になりやすいため、外壁材の組み合わせや窓の配置、軒の出し方などでデザインに変化をつける工夫が必要になるでしょう。
どの建て方を選ぶにしても、現在の生活だけでなく将来の変化も見据えた判断が大切です。子どもの成長や家族構成の変化、老後の暮らしまで考えた上で、最適な選択をしましょう。
関連記事:人気の3LDK平屋の間取り事例!おすすめのアイデアも解説
35坪の家にかかる費用相場と予算計画の立て方

35坪の新築一戸建てを建てる際は、建物本体の価格だけでなく、土地代や諸経費を含めた総費用で予算を考える必要があります。ここでは、具体的な費用相場と予算計画を立てる際のポイントを解説します。
建物本体の建築費用相場
35坪の家を建てる際の費用は、ハウスメーカーのグレードによって大きく変わります。以下の表は、ハウスメーカーの種類別に想定される坪単価と本体建築費用の目安をまとめたものです。
| ハウスメーカーの種類 | 想定坪単価 | 本体建築費用(35坪) |
| ローコスト | 40〜60万円 | 1,400〜2,100万円 |
| 中堅 | 60〜80万円 | 2,100〜2,800万円 |
| 大手 | 80〜120万円 | 2,800〜4,200万円 |
住宅金融支援機構の「2024年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅の建設費は全国平均で坪単価約110万円、土地付き注文住宅では約105万円となっています。これを35坪に当てはめると、より現実的な建築費用の相場は注文住宅で約3,840万円、土地付き注文住宅で約3,658万円です。
ただし、上記の費用はあくまで目安に過ぎません。間取りの複雑さや採用する設備、使用する素材によって費用は大きく変動します。吹き抜けや勾配天井を取り入れたり、自然素材を多用したりすると、費用は高くなる傾向があります。反対に、シンプルな間取りで標準的な設備を選べば、コストを抑えることも可能です。
参考:住宅金融支援機構|2024年度 フラット35利用者調査
土地代を含めた総費用の考え方
土地を持っていない場合、家づくりの総予算における「土地:建物」の理想的な予算配分は「3:7」程度とされています。たとえば総予算が5,000万円なら、土地に1,500万円、建物に3,500万円という配分です。
以下の表は、総予算5,000万円の場合に、土地と建物の予算比率を変えた場合の金額シミュレーションをまとめたものです。
【総予算5,000万円】土地と建物の予算配分シミュレーション
| 予算比率(土地:建物) | 土地予算 | 建物予算 | 本体工事費(建物予算×0.7) | 坪単価(35坪想定) |
| 1:9 | 500万円 | 4,500万円 | 3,150万円 | 90万円/坪 |
| 2:8 | 1,000万円 | 4,000万円 | 2,800万円 | 80万円/坪 |
| 3:7 | 1,500万円 | 3,500万円 | 2,450万円 | 70万円/坪 |
| 4:6 | 2,000万円 | 3,000万円 | 2,100万円 | 60万円/坪 |
| 5:5 | 2,500万円 | 2,500万円 | 1,750万円 | 50万円/坪 |
| 6:4 | 3,000万円 | 2,000万円 | 1,400万円 | 40万円/坪 |
| 7:3 | 3,500万円 | 1,500万円 | 1,050万円 | 30万円/坪 |
| 8:2 | 4,000万円 | 1,000万円 | 700万円 | 20万円/坪 |
| 9:1 | 4,500万円 | 500万円 | 350万円 | 10万円/坪 |
建物の坪単価が40万円を下回ると、現実的に家を建てるのは非常に難しくなります。土地の価格は地域によって大きく異なり、都市部では坪100万円を超えることも珍しくありません。一方、郊外や地方では坪10〜30万円程度で購入できる場合もあります。
希望するエリアの土地が予算を大きく超える場合は、立地を再検討することも視野に入れましょう。駅からの距離や利便性と予算のバランスを取りながら、無理のない資金計画を立てることが大切です。土地探しの段階から建築会社に相談すると、予算内で最適な選択肢を提案してもらえるでしょう。
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35坪は日本の新築一戸建てにおいて平均的な広さであり、3〜5人家族が快適に暮らせる十分なスペースを確保できます。リビングに開放感を持たせる工夫や、効率的な家事動線の設計、適材適所の収納配置など、間取りの工夫次第で理想の住まいを実現することが可能です。
トコスホームは、鳥取・島根の「山陰エリア」で着工数No.1の実績を持つアート建工グループから生まれた住宅ブランドです。山陰の気候風土を知り尽くした私たちだからこそ提供できる「山陰スタンダード」の家づくりで、一年を通じて明るく快適に暮らせる住まいをお届けします。
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